長雷で現パロです。
以前『絵日記』に書いたものです。
長次が一人暮らしをしているとしましょう。
そうすると雷蔵が泊まりにくるわけです。
もともとの予定で泊まる時にはちゃんと着替えを持ってくる雷蔵ですが、たまたま・・・とか、帰ろうとはしたんだけど離してくれなくて・・・とかの時には着替えはないのです。
その場合、申し訳なくも長次の服を借りる雷蔵なんですが、長次の差し出す服は、毎回何故か雷蔵にジャストフィットなんです。
最初は「先輩が昔着ていたモノかな?」とか思っていた雷蔵ですが、服を見ると、さりげなく今の流行りを取り入れたデザインだということが、服にあまり詳しくなくてもわかるのです。
不思議に思っていると、ふと、長次の部屋に置いてあった通販カタログが目に入り、何気なくめくってみると、そこには自分の着ているものと同じ服があるわけです。
「・・・もしや先輩、ボクのために用意している?」
でも、たとえそうだったとしても、長次が貸してくれる服は、毎回雷蔵のサイズにジャストフィット・・・シャツやカーディガンはともかく、デニムやアンダーウェアのサイズまでもピッタリなのです。実の母親だってここまで雷蔵のサイズは把握していないでしょうに・・・。
しかし雷蔵は、長次に自分のサイズを教えたことは一度としてないのです。
・・・怖い、怖すぎる!
思わず長次に確認しようかと思った雷蔵ですが、もし違った時、先輩に「どんだけ自意識過剰なヤツなんだ」と思われるかも・・・と思考は袋小路に入ってしまい、結局真相はわからずじまい。
・・・のハズだったのですが、意外なトコロから真相が明らかになりました。
想定外のお泊まりになった翌朝、雷蔵が目を覚ますと、隣で眠っていたハズの長次がいないことに気付きました。
サイドテーブルに置いてあった、長次が用意したと思われる服に袖を通し(これもやはり雷蔵にジャストフィット)、寝室を出ると、奥からかすかに物音が聞こえました。
雷蔵がそちらに行ってみると、そこには長次が洗濯に勤しむ姿がありました。
声をかけようとしたその時、長次のとった行動に、思わず雷蔵は目を丸くしました。
なんと長次は、雷蔵が前の日に着ていた服を、ゴソゴソと探り始めたのです。
「せせせせ先輩!? いいいい一体、何を!!?」
いくら温和な雷蔵でも、いくら相手が恋人でも、そんな変質者のような行動をとられたら、怒らないわけはありません。
赤面して詰め寄る雷蔵に、長次は表情を変えずにたった一言。
「・・・洗濯表示マークを探していた」
・・・雷蔵は一瞬、何を言われたのかわかりませんでした。
洗濯表示マークって、何???
ポカーンとした雷蔵に、長次は服についている表示マークを見せました。
「・・・ここに表示してあるマークのとおり洗濯すると、服が長持ちする」
雷蔵はさらにポカーン。
そして、見る見るうちに雷蔵の顔色は、先程とは比べ物にならないくらい、赤一色に染め上げられました。
その様子をみて、自分にとってまったく嬉しくない容疑をかけられていたことにようやく気付いた長次は、微妙な顔をしてぽつり。
「・・・いくらなんでも、恋人の服にあれこれするほど変態ではない」
・・・そーですね。
穴があったら入りたいと思った雷蔵でした。
その後。
話を聞くと、案の定、長次が雷蔵用の服を購入していたことが判明。
そして芋づる式に、洗濯する時に見る表示マークにサイズまで書いてあったから、長次は雷蔵の服のサイズを熟知していたということもついでに判明。
ここで長次から打ち明け話。
通販カタログを見て「これは雷蔵に似合う」と思ったものをかたっぱしから購入していたら、ついにタンスの一段分が埋まったとのこと。
そのままタンスにしまっておくから、好きな時に着て欲しい。
思わぬ申し出に、普段ならば絶対に遠慮して断わる雷蔵なのですが、恋人を「変質者!?」と勘違いした直後ではバツが悪く、了承せざるを得ませんでした。
ちなみに後日、このことを何かの折に仙蔵に話すと、
「自分の寝ている隙に、男が自分の服を洗濯していたら、変質者扱いされて当然だと思うぞ」
と言われ、軽く凹んだ長次でした。
おしまい。
長次は絶対、洗濯表示マークを確認した上で、きちんと表示を守って洗濯する男だと思います。
で、服をしまう時もきちんと畳んでしまう、と。
それを見た仙蔵に「微妙に気持ち悪い」とバッサリ斬られそうそうです(笑)
ついでに現パロ妄想絵。
朝、目覚めたら、着替えの前にまず洗濯機を回す中在家。
中在家さん立ち読み中。
読んでる本が「彼ご飯」とかだったら面白いです(笑) 「よし、今度雷蔵に作ってやろう」とか思っていたら最高です。
料理本コーナーで若い男が立ち読みしていたら、すごい注目を集めますね。でも中在家さんならば我関せずで黙々と読み耽ることが出来そうです。
あと、中在家さんの毎月購入している雑誌が、えぬえっちけーさんの「趣味の園芸」と「おしゃれ工房(手芸雑誌)」だったらとても素敵です。